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私ではなくキリストⅦ(東洋からの風の便りIV)

私たちは、見えるものにではなく、見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです。Ⅱコリント4:18

「引き分け」から「敗北」へ~グノーシス主義的な原初回帰が招く政治的悲劇~安倍談話がもたらす日本の世界的孤立~

日本封じ込めのために世界に逆手に取られた安倍談話

安倍氏が自ら未来志向と述べた談話を出し、過去の戦争に関する日本政府の謝罪はもう十分であり、これ以上、未来を担う若い世代に過去の戦争への謝罪責任を負わせないためにも、政府の戦争責任への謝罪は終了すべきであるとほのめかし、若者を口実にして日本政府が戦争責任を認めることをこれから放棄していくかのような内容を示唆した後、8月14日、日本の外務省は、過去の戦争責任に関するウェブサイト上のQ&Aの解説ページをまるごと削除した。

そのページには東京裁判で下された判決に対する日本政府の見解も記されており、私が以下の記事「一事不再理の原則(1) ~東京裁判の否定―日本のグノーシス主義的原初回帰~」でも触れたものであった。

このウェブサイトの削除により、外務省を含め日本政府は、これまで国家として示して来た先の大戦への贖罪と、それにより被害を受けた関係諸国の人々を含めたすべての人々に対する公式な謝罪をこれで打ち切るという(安倍政権の)方針を暗に示したのではないかと見られる。

つまり、安倍政権は、今年の8月15日を日本政府にとっての(精神的な第二の)「終戦の日」にしようと考えたのではないかと考えられるのだ。すなわち、政府が戦争責任の罪を追及され続けるという善悪の戦いの終了という意味で、これを新たな終戦の日としてとらえ、それに合わせて、玉音放送の原盤も公開されたのではないかーー。安倍氏とそれを支える勢力にとって、今年の8月15日は、国家としての日本の戦争責任終了日であり、日本政府の再生の日と見えていたのではあるまいか。

だが、この安倍談話を受けて、未来に向けて、日本政府が極東軍事裁判を含め、大戦に関する過去の裁きと責任をどのようにとらえて行くのか、その変化は具体的に明示されていない。天木直人氏は、外務省に安倍談話に沿うような新たなウェブページが作成される見込みは薄く、削除されたページはこのまま放置されるのではないかという予測を述べている。(「安倍談話に関する外務省のHPから目を離すな」8月18日

その予測もかなり的を射ているように感じられるのは、談話をきっかけに、いきなり過去の大戦への謝罪責任を放棄するような見解を政府が述べれば、国際世論にたちまち大きな反発が巻き起こることが予測される。そこで、日本政府はあえて戦争責任に対する政府の態度をあいまいにしておくことで批判を避けながら、未来に向けた見解を、得意の後出しジャンケンで、徐々に明らかにしていくつもりなのではないかと思われるからだ。

だが、関係諸国はこのような安倍氏の歴史そのものに対するあいまいかつ危険な態度を極めて重く受け止め、歴史修正主義として厳しく批判し、強い不信感・警戒感を示している。こうして、日本国内で安倍氏に権力が集まり、政権が過去の大戦とそれに対する裁きを否定すればするほど、日本は世界の諸外国にとって、ますます危険かつ不信感を抱かれる仮想敵国と化していく様子が見て取れる。その構図は、今回の中国で開催された抗日式典に明確に表れているのではないだろうか。

まず、事前に発表されたこの抗日式典への参加国の多さに驚かされる。ほとんど日本包囲網と言って良い状況が出来つつあることがよく分かるのではないだろうか? 中国の抗日戦争への勝利は、確かに指摘されているように中国共産党の功績ではないため、政治的アピールの意味合いが強いと思われるが、そんなことは良く知っていながら、あえてこれほどの数の要人が参加しているのは、それほどまでに安倍政権率いる日本への世界の警戒感が強まっていることの証拠であろう。

中国抗日式典に国連総長も出席、49か国参加
読売ONLINE 2015年08月26日 07時46分

【北京=竹腰雅彦】中国政府は25日、9月3日に北京で開く「抗日戦争勝利70年」の記念式典に49か国が参加し、ロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵パククネ大統領ら計30か国の国家元首・政府首脳級が出席すると発表した。


 首脳級の参加は、中国と関係の深いアジア、アフリカの友好国が中心で、中露以外の国連安全保障理事会常任理事国である米英仏や日本は出席を見送った。

 首脳級の参加は外交的に蜜月関係にあるロシア、韓国のほか、中露と「上海協力機構」を構成するカザフスタンなど中央アジア4か国、ミャンマー、パキスタンなど伝統的友好国、南アフリカやアルゼンチンなど経済を中心に中国と親交を深める国が目立った。北朝鮮からは、金正恩キムジョンウン第1書記の側近とされる崔竜海チェリョンヘ・朝鮮労働党書記が参加するとした。

 30か国以外の19か国からは「政府代表」が出席し、フランスやイタリア、インドなどは閣僚級を派遣、英国は首相特使として元閣僚を参加させる。このほか、国際・地域機関からは、国連の潘基文パンギムン事務総長ら10人が出席。米国やドイツ、カナダ、欧州連合(EU)からは中国駐在の外交使節が参加するとした。日本からは、村山元首相が出席するとしている。


 

さらに、安倍談話を奇貨として、これまで領土問題についてもそれなりに交渉の余地があるかのような姿勢を示して来たロシアがその態度を完全に硬化させた。しかも、安倍が「日本の戦争に対する謝罪責任は解決済み」としたのを裏返しにする形で、ロシアは「領土問題は解決済み」と宣言したのである。

ロシア外務次官「北方領土問題は解決済み」と発言
TBS NEWSi

ロシアのインタファクス通信は、日本との交渉担当者であるロシアのモルグロフ外務次官が北方領土問題について70年前に解決しており、日本と対話はしていないと述べた、と報じました。

モルグロフ外務次官は、プーチン大統領の年内の訪日実現や平和条約締結などに関して、これまで、日本側と協議を行ってきた人物です。

 インタファクス通信によりますと、モルグロフ外務次官は北方領土問題について、「第2次世界大戦の結果、北方領土はロシアの領土になった」「70年前に解決された」と述べ、この問題でロシアは日本と対話する意思はない、と報じています。

 また外務次官は、日ロの平和条約締結交渉に関しては「話し合いの建設的な交渉に向けた用意がある」としています。

 しかし、その一方で「相互に受け入れ可能な解決を見つける努力をする理解があることが前提だ」と述べたということです。

 今回のモルグロフ外務次官の発言は、先月、メドベージェフ首相が択捉島に訪問した後、安倍総理が発言したことについて述べたものだということです。

 ロシアは3日に中国で行われる抗日戦争勝利記念式典を前に、プーチン大統領が1日、国名を名指ししていないものの、ある国々が第2次世界大戦の歴史を偽ろうとしている、と述べています。プーチン大統領の訪日の前提となる、岸田外務大臣のロシア訪問も進展が見通せない中、メドベージェフ首相の択捉島訪問や今回の交渉担当者の発言など、相次ぐロシア側の動向に日本側がどう反応するのかが次の焦点です。(03日03:05)

これはロシアの態度の硬化と見て良い。2013年の3月の森・プーチン階段の時点では、プーチン氏が「引き分け」という言葉を用いたことから、領土問題に関しては、日ロ間で交渉の余地があるという期待感が高まっていた。むろん、領土問題に関しては色々な憶測が飛び交い、どのような交渉の可能性があるのかないのか何も具体的に定かではなかったが、とにかくロシア政府はここに来るまで、あえて交渉の余地が残っている可能性そのものは否定しなかった。

2013年は日ロ関係が好転するという期待感がいつになく高まった年であった。安倍訪露とそれに対する返礼の意味も込めたプーチン氏の訪日の実現を通して、平和条約の締結と共に、領土問題についても「双方共に受け入れ可能な策」を模索するという方向で報道がなされ、その実現は目前に来ていると考えられていた。

北方領土引き分け 「双方受け入れ可能な策」
MSN産経ニュース 2013.2.22 01:00
 

ロシアのプーチン大統領(右)と会談する森喜朗元首相。2人を描いた日本の新聞漫画を見せ、和やかな雰囲気を作った =2月21日、モスクワのクレムリン (AP)


 【モスクワ=酒井充】安倍晋三首相の特使としてロシアを訪問中の森喜朗元首相は21日午後(日本時間同日夜)、プーチン大統領とモスクワ市内のクレムリン(大統領府)で1時間10分会談した。プーチン氏は、昨年3月に北方領土問題で「引き分け」と言及したことを「双方が受け入れ可能な解決策のことだ」と説明したが、「なかなか難しい問題だ」とも述べた。さらに、「日露間に平和条約がないのは異常な事態だ」と語り、今年前半の首相の訪露に期待感を表明した。

 両氏は平成13(2001)年、平和条約締結後に歯舞群島、色丹島を引き渡すと明記した日ソ共同宣言を「交渉の出発点を設定した基本的な法的文書」とするイルクーツク声明で合意しており、会談ではその重要性を確認した。

 森氏は会談で、首相からの親書を伝達し、今年前半に予定される首相の訪露に向け調整。プーチン氏は「首相の訪問を待っている」と述べた。首相は昨年12月のプーチン氏との電話会談で「双方が受け入れ可能な解決策を生み出すべく努力する」と伝えていた。

 一方、プーチン氏は北朝鮮による核実験に関し、「断じて容認できない。国際社会の責任ある一員に取り込むためには日露両国が協力する必要がある」と強調した。両氏は極東地域開発やエネルギー分野での日露間協力の重要性も確認。森氏は会談に先立ち、プーチン氏が尊敬するロシア帝政末期の首相、ストルイピンの銅像に献花した。


プーチン大統領の訪日は日本政府としての公式な約束であったが、我が国政府の対米隷属的な態度のために、今日まで実現していない。それでも、ロシアは当初、対ロ制裁の影響のせいもあって、ヨーロッパと同様にアジアの市場に熱いまなざしを向けていたこともあってか、日本の置かれている事情にも一定の理解を示し、態度を硬化させることなく、対話の糸口を探して来た。

だから、日本の最良の外交政策としては、鉄は熱いうちに打ち、ロシアが対ロ制裁の打撃からまだ完全に抜け出せておらず、なおかつ、中国を含めてアジアの国々とのパートナーシップをまだ模索しているうちに、早々にこの可能性に飛び込んでプーチン氏の訪日を実現させて領土交渉と平和条約の締結の両方のカードを切るのが適当であっただろうと思われる。

ところが、日本政府は米国の顔色を伺い続けてこのカードを利用しなかっただけでなく、対ロ制裁に加わった他、軍国主義の復活と、歴史修正主義的な色濃い安倍談話を発表してしまったため、領土交渉については「引き分け」の表現から何の譲歩も引き出すことができないままに、ロシア側の態度を硬化させ、むしろ「負け」が決定的になった。

(日本の対ロ制裁への参加も大きな要因に:プーチン露大統領、北方領土交渉の中断を示唆=日本の対露制裁が影響か―中国メディアRecordChina:2014年5月26日(月) 17時26分 )
 
このような態度硬化を引き出したことは、明らかに日本側の外交政策の失敗であろう。安倍政権は自らの失策で、勝利も引き分けも逃してしまい、むしろ一本取られてしまった。今回の談話で、安倍氏が無駄に日露戦争に言及したことも、マイナス要素として響くのではないかと噂されていた。これは日本人が人質となって拘束されている最中、安倍氏がイスラム国への非難に言及し、かえってイスラム国を挑発した時のことを思い出させる。いずれにしても、プーチン氏はかつての盟友(?)安倍氏の声明に未だかつてない厳しい言葉で意趣返しをしてきた。

プーチン大統領「ある国々が歴史を偽ろうとしている」
TBS NEWSi 

 中国で3日に開かれる抗日戦争勝利記念式典への出席を前に、プーチン大統領は、ある国々が第2次世界大戦の歴史を偽ろうとしている、と改めて批判しました。

これはプーチン大統領が、ロシアと中国のニュースメディアに対し語ったものです。

 この中でプーチン大統領は、中国との関係について、両国の歴史上、ピークに達したと述べたほか、ドイツのナチズムと日本軍国主義と戦った同盟国である、と述べました。

 そして、現在、第2次世界大戦の歴史を偽り、事実に基づかない、捻じ曲げた解釈を進めようとする試みがある」と指摘しました。この際、大統領は特定の国名を挙げていませんが、北方領土問題でロシアは日本に対し、第2次世界大戦の結果を直視するよう繰り返し求めています

 また、ある国々が歴史の解釈を捻じ曲げる試みを行っていることは、戦後の国際軍事裁判である「ニュルンベルク裁判と東京裁判をとんでもなく軽蔑している」と批判しました。

 その上で、プーチン大統領は、3日に中国で行われる抗日戦争勝利記念式典について、「ロシアと中国が共に戦勝70年を祝うことで、 歴史的信念と共通の勝利を守ることを示すことになる」と主張しています。(03日03:26)

 
これほど厳しい非難をプーチン氏が安倍氏率いる日本に向けて来たことは今までなかった。諸国の日本包囲網に後押しされて、ロシアも明らかに日本(政府)への態度を硬化しつつあり、友好的なムードは消えかかっていると言えよう。このままいくと、今はまだ「平和条約締結」の可能性が残っているが、いずれ、それさえも消え、安倍政権の危険性がさらに世界で認識されるにつれて平和条約締結どころではなくなる可能性が高いように思う。

つまり、日本は世界から全く信頼できない、相手にすることもできない、領土交渉などもっての他の、平和条約の締結さえ対象外の極めて危険な国とみなされるようになってしまう恐れがある。.


歴史否定は「良識への侮辱」=抗日記念で日本けん制-中国主席

【北京時事】新華社電によると、中国の習近平国家主席は3日昼、北京・人民大会堂で開かれた「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年」の記念レセプションで演説し、侵略の歴史を否定することは歴史をもてあそぶことであり、人類の良識への侮辱だ。必ず世界人民の信頼を失う」と述べ、名指しはせずに暗に日本をけん制した。

 習主席は、3日午前の軍事パレード前の演説では「日本軍国主義侵略者を打ち負かした」などと発言したが、現在の日本や安倍政権をけん制する発言は控えた。しかし外国の首脳級や国連の潘基文事務総長らが出席した昼のレセプションでは、安倍晋三首相の歴史認識を念頭に厳しい見方を示した。

 習主席はこのほか、「歴史は人民の心の中に書かれており、歴史の抹殺は許されないし、抹殺もできない」と強調。「残忍非道な侵略や血なまぐさい戦争の場面、人々を激怒させる虐殺の犯罪行為のほか、あの戦争で不幸にも亡くなった数千万人の善良な魂を、人類の歴史の記録に銘記し、人類の心の中にとどめる」必要性を訴えた。
 さらに「歴史を忘れることは裏切りを意味する」とした上で、「侵略戦争を否定したり、歪曲(わいきょく)・美化したり、その歴史的な責任から逃れようとしたりする一切の言行は、どんなに聞こえが良くても、自分も他人もだますものだ」と強く批判した。 (2015/09/03-22:50)


 

潘基文事務総長の返答 安倍首相、分かったか?
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2015-09-01 11:35:30  | 人民網日本語版 | 編集: 王珊寧

中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争70周年記念軍事パレードが近く行われる。数十カ国の指導者または代表および国連を含む多くの国際組織の指導者が出席する。国連の潘基文事務総長もこの重大な行事に出席する。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

だが日本政府筋は不遜な物言いをし、政治的中立性を保つよう要求した。これについて事務総長が返答した。

  潘事務総長は北京での軍事パレードへの出席は自らの仕事だと表明した。現在全世界が第2次大戦という人類史上最大の悲劇の終結70周年を記念し、国連創設70周年も記念している。国連創設は世界平和を永遠に保つためだ。軍事パレードを含む記念行事への出席は、歴史の教訓を汲み取り、明るい未来を創造する助けとなる。したがって、これは国連事務総長として当然のことだ。

  日本側発言に対する潘事務総長の反論は非常に素晴らしい。その見解は簡にして要を得ており、核心は「歴史の教訓」と「当然のこと」の2つだ。

  第1に、人類はどのような「歴史の教訓」を汲み取るべきか。第2次大戦時、日独は世界的範囲で大規模な侵略を行い、人類にかつてない惨禍をもたらすとともに、国際社会をかつてないほど団結させた。国際社会は協力してファシズムの世界的拡張を粉砕し、抑圧された民族の正当な権利を守った。第2次大戦は日本の対中侵略で始まり、中国軍民は日本の侵略に長期間断固として抵抗し、反撃を加え、日本軍に大きな打撃を与えた。周知の通り、中国は抗日戦争期間に重大な犠牲を払い、アジア太平洋地域全体の日本軍国主義への反対に卓越した貢献を果たし、そのために国連の5つの常任理事国の1つとなった。人類の安全に対する中国のリーダーシップはしっかりと確立された。

  歴史を理解して初めて現在を大切にし、さらにより良い未来を切り開くことができる。第2次大戦終結から70年、かつてのファシズム敗戦国が自己改造の努力と結果において各々異なることを国際社会は目にしている。教訓を深く認識し、徹底的に前非を改め、国際社会に再び受け入れられた国がある。一方で、過ちをごまかし、軍国主義の政治的・文化的根源を掘り起こすことを拒み、そのために右翼思潮がはびこり、歴史修正主義を前面に出して、国際正義に公然と挑戦している国もある。

  次に、潘事務総長が中国側の招待を受け入れ、抗日戦争勝利70周年軍事パレードに出席するのは「当然のこと」だ。潘事務総長は日本側の非難に反論したうえ、第2次大戦での中国の貢献と犠牲が世界の人々に認められ、感謝されていることを肯定した。潘事務総長の訪中は国連に対する中国の多くの貢献に感謝するためだ。潘事務総長は現代中国は平和を愛しており、急速に多角化する時代において一層の貢献を果たすことができると指摘した。持続可能な開発という目標の実現と気候変動など世界的試練への対処において、国連は中国が引き続き世界的指導力を発揮することを高く称賛し、期待している。

  潘事務総長が歴史と現実をしっかりと結びつけていることは明らかだ。潘事務総長が中国の軍事パレードに出席するのは、歴史を振り返り、未来に向かうためだ。国連事務総長として、潘氏は十分な責任感と正義感を備えている。これは歴史と現実を極力切り離そうとする日本当局の不誠実さ、無責任さと雲泥の差がある。

  北京での軍事パレードへの国連事務総長の出席に対する日本の妨害が成功することはあり得ない。歴史を直視しようとしない日本は、更に多くの挫折に直面するだけだ。かつて被害を与えた国と国民に対する誠意と和解を拒む日本が、自縄自縛に陥り、歴史に汚名を残すのは必至だ。抗日戦争は中国の勝利により終わりを告げた。中国の軍事パレードは「もし歴史修正主義が再びもめ事を引き起こすのなら、必ずや中国軍民と世界の正義の勢力によって再び粉砕される」ということを世界に告げる。安倍首相、分ったか? 

  (人民網日本語版)

日本政府が誤った戦争と敗戦の歴史的事実を率直に認め、これについて謝罪の態度を取り続けていた間、これほど厳しい声明が日本の首相に対して出されたことはなかった。安倍氏は最近、メディア関係者との私的懇談において、さかんに中国との戦争を吹聴していたとも報道されているが(「安倍首相が官邸記者とのオフ懇で「安保法制は中国が相手。必ずやる」と戦争宣言!」2015.06.25 LITERA参照。)、それでも、日本政府の対米隷属という「特別な事情」は諸外国からも一定の同情を集めていたふしも見られ、安倍氏の外交に見られる中国敵視政策は、その文脈で、ただ単に同氏の個人的な悲願というよりも、米国の強い要請のもとに作り出されたものであったと理解されていたのではないかと考えられる。

飛躍的に経済成長を遂げている中国は、世界の覇権を失いたくない米国にとっては、油断のならない政敵であり、目の上のタンコブのようにも見えることだろう。米国は中国の成長という「脅威」を押しとどめるために、日本をも巻き込んで、アジアで中国包囲網を作りたかったのではないか、それに日本政府がいつものごとく何ら抵抗なしに応じて来たのだ。安保法制も、断じてホルムズ海峡の機雷除去などが真の狙いではなかった。安倍談話も、安保法制も、アジアでの中国の躍進を抑えることを主目的とする日米同盟の関係強化のために、米国からの要請に基づいてなされたのではないかということが、以下の記事からもうすうす感じられる。(なぜなら、以下の記事で、マケイン氏は国際秩序にとって脅威になっている存在として暗に中国をほのめかしているためである)。だからこそ、米国は自ら属国に外注して作らせた安倍談話にも、一定の評価を下していたのではないか。

日米の70年「和解の手本」 オバマ大統領が声明
朝日新聞DIGITAL ワシントン=奥寺淳 2015年9月3日10時09分

オバマ米大統領は2日、日本が第2次大戦の降伏文書に署名してから70年になるのにあわせ、声明を発表した。日米関係について「かつての敵国が最も安定した同盟国となり、和解の力を表す手本だ」とし、両国の関係がさらに深化することを確信していると強調した。

オバマ氏はまず、想像しがたい苦しみに耐えた戦争捕虜に思いをはせ、太平洋戦線で命を落とした10万人以上の米兵士に敬意を表した。その上で、4月に米国で安倍晋三首相と会談したことに触れ、日米両国は世界で共通の利益や普遍的な価値観を推し進めているとし、「70年前は、こうした関係が築けるとは想像も出来なかった」と評した。

 ケリー国務長官も声明を発表した。ハワイの真珠湾と、激戦地ガダルカナル島を昨年訪れたことに触れると共に、その大戦から70年後、日米が敵国から強固な同盟国になったことを「驚くべき転換だ」と表現した。

 共和党の重鎮、マケイン上院軍事委員長も声明で、「過去に焦点を当てる人もいるが、私は70年前から成し遂げた進展に目を向ける」とし、日米が世界の平和と安定に貢献していることを強調。一方で、「アジア太平洋地区ではいま、戦争の灰から手に入れた法に基づいた国際秩序が試練に直面している」と暗に中国の存在をほのめかし、日米などの協調を強めるべきだとの考えを強調した。(ワシントン=奥寺淳)


だが、今のままでは、米国からいかに「和解の成功例」とお誉めにあずかったとしても、日本は安倍談話によって全世界を敵に回すことになりかねない。そうなれば、米国でさえ、日本に向けられた諸外国からの厳しい不信のまなざしの前に、日本を弁護することが不可能となり、その役目を放棄するであろうと思われる。つまり、米国(+欧州)と中国(+ロシア)との覇権争いの中で、日本は単なる踏み台にされて終わる可能性が高い。だからこそ、以前から、日本の対米隷属は「沈みゆく大国としての米国からの抱きつき」、「米国との無理心中」などと揶揄され、批判されて来たのである。今のままでは、日本は完全に誰かの野心の道具として、すべての罪を身代わりに負わされる犠牲となって、最終的に裁きを受けることになりかねない。そのとき、米国はそれは日本が自分で選んだ道であり、自分は何も知らず、何かを指示したことなども全くないと言って、日本の罪とは一切手を切って自らは潔白を保つであろう。

天木氏は8月27日の時点で日本政府筋から代表として公式に抗日式典に参加する人間がいないことを日本の外交政策の失敗として批判している。米国はこの式典を本心では歓迎していなくとも、ひとまず駐中国大使を参加させて形式的には無難にやり過ごすが、日本からは駐中国大使の出席さえないことで、中国敵視政策を取っていることがあからさまとなる。それは日本の今後の外交的な孤立を意味する。
 

日本だけが中国の抗日記念行事に欠席するなら外交的大失態だ
 
きょう8月27日の産経がワシントン発共同を引用して報じた。

米国務省のカービー報道官は北京で9月3日に開かれる抗日戦争勝利
70年記念行事に米国を代表してボーカス駐中国大使が出席する事を確認したと。

当然だろう。

 本国政府から要人を派遣せずに駐在大使の出席で済ませることは、米国としてその行事を手放しで歓迎しないというサインだ。

しかし、駐在大使の出席さえも見送るなら、それはもはやあからさまな敵対行為だ。

 9月初めに習近平主席を迎えるオバマ大統領がそのようなことをするはずがない。

 そして、米国と歩調を合わせるかのように、欧州主要国や豪州、カナダなどいわゆる西側主要国はみな政府代表と言う形で現地大使や代理を参加させる。

 もちろん中国との関係を重視する国は、プーチン大統領や朴クネ大統領を含め、30カ国が首脳級を派遣する。

 ところが日本だけが駐中国大使さえも参加させない方針であると報じられている(8月26日東京)

 これが事実なら、外交の常識を逸脱した中国敵視行為だ。

 世界の主要国の中で、日本だけが習近平主席が最も重視している行事をボイコットするのだ。

 いくらこの行事が日本の侵略を批判する日本敵視行事であるとしても、欠席してはいけない。

 いや、だからこそ、堂々と出席して日本の度量を示すのだ。

 安倍談話でお詫びまでしているのだから、安倍談話を抗日バレードで繰り返し、そのかわりお得意の未来志向を強調して、いつまでも過去に
こだわるのはやめようと世界に向かって呼びかけるべきなのだ。

 世界は安倍首相のほうに軍配を上げるだろう。

 誰が、どういう考えで、木寺駐中国大使の出席すら拒んだのか。

 まさか谷内NSC局長や斎木次官がそれを進めたのではないだろうな。

 もしそうなら安倍首相に迎合した、外務官僚の風上にも置けないしわざだ。

 もし安倍右翼政権の意向であるなら、それを止められなかった彼らの責任は大きい。

 もし米国の圧力で欠席を決め込んだなら、安倍首相ははしごを外されたことになる。

 もし、米国がボーカス駐中国大使を出席させることを予想していなかったとすれば、あまりにも情報不足だ。

 木寺大使はボーカス大使とほとんど現地で接触していない証拠だ。

 いずれが真実であったにしても、中国の抗日戦争勝利70年行事に日本だけが欠席することになるなら、前代未聞の外交失態だ。

 いまからでも遅くない。

 日本を代表して誰かを参加させるべきだ。

 村山富市元首相が出席すると伝えられているが、安倍首相としてこれほどの恥はない(了)


 (追記:本日9月4日の天木氏のブログで、実際に日本の駐中国大使が抗日式典に参加しなかった事実が糾弾されている。「木寺駐中国大使の出席さえも拒否した日本の異常さ」

日本政府からの抗日式典への不参加は、安倍氏自身の考えであった可能性も十分に考えられるが、結果としては、日本政府が米国に「はしごを外された」形にもなる。つまり、この抗日式典の時点までは、中国敵視政策は対ロ制裁と同様に米国主導の政策であって、各国は逆らいきれずに渋々ながらそれに従っていただけと言い訳をすることができたが、この式典を機に、「中国を積極的に敵視しているのは米国ではなく日本である」ことが、世界の共通認識として定着してしまう恐れがある。式典への不参加は、日本政府が自ら選んだ道であり、対米隷属とは無関係の独自政策であると。

そのことはロシアやその他の諸外国との関係悪化にも直結し、そのすべての結果が日本政府が自ら選んだ道として降りかかって来ることになりかねない。この先、対米隷属がもはや何らの言い訳にもならず、日本政府の政策決定が全て自主的な責任として重い責任が伴うようになる大きな節目に今さしかかっているのではないか。

そして、安保法制が成立すれば、日本は本来は米国のための覇権争いである代理戦争に、米国の身代わりに完全な悪役として徹底参加を求められ、その結果、ひとりすべての罪を背負って国際的に孤立し、上記の国連事務総長の指摘の通りに、「世界の正義の勢力によって再び粉砕される」という結果に至ることが予想される。

そのような道を辿らなければ、日本は「いつか来た道」を行くのをやめて、軍国主義の復活を望む勢力を押しとどめることができないのであろうか? この誤ったイデオロギーから解放されるために、日本政府は再び徹底的な裁きを受けて、今度こそ、根こそぎ粉砕され、解体されることが必要なのであろうか? しかも、結局、外圧がなければ変われないというのだろうか? 

むろん、現在の国際社会の秩序も盤石なものとは言えず、そこに絶対的で完全な正義が見出せるわけではない。だから、日本から軍国主義的勢力が一掃されてこの国が更生した暁には、諸国も何らかの軌道修正を行う可能性がないわけではないが、それはまだまだ遠い未来の話である。その前にまず日本政府の態度が改められなければならないのは言うまでもない。

米国の代理として日本が中国に立ち向かい、その過程ですべての関係諸国との信頼と協力関係を失うという悲劇の道を進むなら、これから先、それはもはや米国の政策ではなく日本の罪とみなされ、最後には、東京裁判どころでは済まない、以前にもましてより一層、ひどい裁きがこの国に下ることになるであろう。だが、裁かれるのは政府だけで十分である。一事不再理の原則の記事で述べた通り、過去と向き合うことを何ら拒否していない日本国民までが、その裁きに巻き添えにならなければならない理由はどこにもない。

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